七夕は、全国各地でお祭りなどが開催される夏の風物詩のひとつです。七夕の食べ物といえば「そうめん」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?今回はそんな「そうめん」についてご紹介いたします。
★なぜ七夕にそうめんを食べるの?
そうめんのもとは「索餅(さくべい)」という小麦粉を使った食べ物です。中国から日本に伝わった唐菓子のひとつで、「索」とは太い縄を意味し、「餅」とは小麦粉と米粉を混ぜ合わせたもので、縄状の形状より「麦縄(むぎなわ)」とも呼ばれています。七夕に索餅を食べると病にかからないという中国の故事にならい、平安時代には宮廷での七夕行事に索餅が取り入れられたそうです。
その後、七夕伝説の織女星が養蚕や裁縫をつかさどる星とされていたので、縫い物上手になる願いを糸に見立てたそうめんに託したとされ、江戸時代には七夕にそうめんを供え物にする風習が一般に広がりました。
★そうめんとひやむぎの違いって?
➀太さ
基本的には、直径1.3mm 未満のものを「そうめん」、直径1.3mm以上 1.7mm未満のものを「ひやむぎ」と呼びます。ただし、手作業によって作られる「手延べ干しめん」の場合は、丸棒状で直径1.7mm以下であればそうめんと記載できることになっています。そのため、徳島の名産である『半田そうめん』など、ひやむぎと同じくらいの太さのそうめんも存在します。
➁製法
そうめんは糸のように延ばすことで細く仕上げられる一方、ひやむぎはうどんのように切って作られます。しかし、製麺機が普及した現代では製造工程も多様化し、製法だけで区別は難しくなってきているようです。
➂食感と麺の色
食感の違いは、そうめんはつるりとのどごしが良く、ひやむぎは少し太さがあることから食べごたえがあります。また、時々みかける「色付き麺」は、もともとは「そうめん」と「ひやむぎ」の区別を付けやすくするために、ひやむぎに入れられたと言われています。しかしこちらも決まりは曖昧になってきており、近年では見た目の華やかさを楽しめる色付きのそうめんも販売されています。
蒸し暑い日本の夏には、喉越しのよいそうめんがぴったりです。七夕の日には是非、そうめんを食べて1年の健康を祈りましょう!